概要

ご挨拶

三代目宗家 鈴木吟亮

吟亮流の特徴は進取の気風と音楽性であると思います。 初代の吟詠のダイナミズムは、幼少から鍛えられた琵琶楽の上に築かれた独自のものであると思います。 しかし、二代宗家が日本吟剣詩舞振興会と共に築いた現代吟詠とは、ともすれば乖離しかねない性格のものでございます。 この大きな課題に立ち向かうことが当流の存亡にかかわることと認識しております。 一方で、たとえ、どんなに小さな声でどんなに音程が取れなくても、吟詠が心の拠りどころになっている方が いらっしゃれば、全力で応援し、少しでも長く吟詠に親しみ楽しんでいただくために努力したいと考えております。

沿革

昭和5年  初代鈴木吟亮により吟亮流吟風会創立
昭和43年 日本吟剣詩舞振興会設立に協力
昭和51年 二代宗家(現宗司)が宗家継承
平成26年 三代に宗家(現宗家)継承

吟亮流各地区本部

  • 吟亮流東京本部
  • 吟亮流千葉吟風会
  • 吟亮流埼玉本部
  • 吟亮流栃木本部
  • 吟亮流函館吟風会
  • 吟亮流小田原支部/仙台支部/長野支部

初代宗家の略歴

吟亮流初代宗家故鈴木吟亮は、明治三十三年十二月二十一日青森県八戸市の中村家(先祖は米子城主中村一忠公十七万五千石) に生まれ、昭和四年鈴木家 (鈴木製薬) 五代目吟亮を襲名する。大正時代より錦心流宗家永田錦心師の高弟としてその名声を博したが、その後独流の吟調を創始、各階層に普及を図り且つその実践活動に努め、昭和五年吟風会を創設する。 昭和九年頃古賀政男氏に認められ、ティチクレコード専属となり毎月レコード録音。昭和十年、島田磬也作詞、古賀政男作曲「白虎隊」を藤山一郎氏と吹き込み、また戦後は霧島昇氏と組みともに絶賛を博した。 また、映画などに於ける吟詠(主なるものに「明治天皇と大日露戦争」)に出演、またNHKの放送に活躍する。 昭和二十八年周囲のすすめにより吟亮流宗家を呼称し、一貫して吟詠の芸術性を唱え新しい感覚の吟詠を吟舞曲 (深窓の人恋をおもえり・祇園町・月下独酌、等) とし、芸術性豊かな格調の高い数々の作品を残す。又NHK・FM放送邦楽の時間で活躍した。 かねてより吟界大同団結を望んでいたが、昭和四十三年、財団法人日本吟剣詩舞振興会の設立に協力。 昭和四十七年秋、日本吟詠界元老として多大なる貢献を嘉せられ、藍綬褒章を賜る。 昭和四十九年、創立四十五周年記念祭典を中野サンプラザで開催、宗家鈴木吟亮の先祖米子城主中村一忠公をモデルとして吟詠ドラマを島田磬也氏の演出により上演、この大会を契機として吟風会会長を娘の吟子(現二代宗家)が継承する。 昭和五十一年四月一日 (七十五歳) 急逝、永年に亘る業績により文化庁より菊花紋章入り銀盃を下賜された。 四月七日青山斎場に於いて盛儀がおこなわれた。

二代宗家 ( 現宗司)の略歴

二代宗家(現宗司)は初代宗家逝去により会を継承。昭和51年霧島昇リサイタル「白虎隊」にゲスト出演。その後も日劇「秋の踊り」「四季の踊り」等に出演。昭和53年には初代宗家一周忌追悼公演ではオーケストラと合吟による鎮魂歌を演出。昭和57年鈴木吟亮襲名。二代鈴木吟亮は特に音楽性豊かな和歌や新体詩の作曲を積極的に行い、それとともに吟亮流においてもシンセサイザーやハープといった洋楽器とのコラボレーション演奏を確立した。また二代宗家は公益財団法人日本吟剣詩舞振興会第四代会長を平成23年から平成25年まで務める。平成26年1月、宗家を吟風会会長の鈴木吟行へ宗家継承。

三代宗家の略歴

三代宗家は、時代に即した吟詠の在り方を追求しつつも、吟亮流のアイデンティティともいえる吟舞曲や琵琶吟を積極的に取り組んでいる。ジャズミュージシャンとしての一面もあり、様々なプロデュース活動を行っている。